島田市 ふるさとレポ部

静岡県島田市のヒトやモノをご紹介します。

川根 たいやきや(キイチ食品)

みなさん、こんにちは!

今回は島田市川根にある、知る人ぞ知る名店に行ってきました!

大井川鐵道の家山駅から徒歩3分ほど。

路地を歩いていると見えてきました・・



"たいやきや"さん!
川根 たいやきや(キイチ食品)

そう、このお店こそ、もはや観光名所にもなっている川根の名店なのです。
桜の時期やGWなどは長蛇の列が出来るお店で、島田市内でもこんなお店は中々ありません。

ちなみに今回の僕の目当ては、このお店の「しずおかおでん」

「たいやきや」なのに?

ま!入ってみましょう。



こんにちは!
出迎えてくれたのは南原さん御夫婦
川根 たいやきや(キイチ食品)
店主の喜一さんと洋子さん
抹茶色のユニフォームTシャツが素敵です。


店内は昭和レトロな良い雰囲気
川根 たいやきや(キイチ食品)

川根 たいやきや(キイチ食品)
※鯛焼きのモニュメントがお出迎え


お店に入ってすぐ、ありました「しずおかおでん」!
川根 たいやきや(キイチ食品)

特有の濃いスープから、良い香りがします。
川根 たいやきや(キイチ食品)
しずおかおでん特有の濃い目のスープの中に、竹串にさされた具材が所狭しと並んでいます。


早速、おでんを注文してみました!
川根 たいやきや(キイチ食品)

このボリューム、クオリティで何と1本、税込み100円!
この消費増税の時代に税込み100円は驚異的です!

川根 たいやきや(キイチ食品)
中でも一押しのだいこんは、このサイズとやわらかさ。
コンビニおでんには無い、ただならぬ染み込み具合。

スープの色は濃いけれど、食べてみると意外なほどあっさりと食べられます。
いや、ホント美味しい。熱燗飲みたい。



つづいて、これまた名物「抹茶たいやき」!
抹茶たいやきは、これまたびっくり、1枚税込み150円。
川根 たいやきや(キイチ食品)
川根 たいやきや(キイチ食品)

皮はほんのり苦い抹茶味、餡子はトロっと甘すぎない絶妙なバランス。
大人のお客さんもこれを求めて行列するのも納得の味です。


お店のメニューとしては他にもラーメンと焼きそばがあり、どれもお店の看板メニューとしてファンがついています。
※ちなみにここのラーメンは過去に地元テレビ局のラーメンランキング静岡県中部地区3位に輝いたことのある超実力派。今回は出てきませんが、激ウマですよ。

メニューは4つ。
たいやき、おでん、らーめん、やきそば

なんだか不思議な組み合わせですね。


そこで店主の南原さん御夫婦に、お店の成り立ちについてお話を伺ってみました・・。




~川根の”たいやきや”物語~



”たいやきや”は昭和36年に開業しました。今年で何と創業58年目です。

お店は喜一さんのお母さんである、”おちょうさん”によって始められました。
川根 たいやきや(キイチ食品)
※お店の壁に飾ってあった先代”おちょうさん”の写真。2年前に他界されたとのこと。

開業当時、おちょうさんの御主人は大井川鐡道株式会社に勤めていました。

おちょうさんは、お子さんたち(喜一さんのことですね)を保育所に預けている間に、家で商売をしたいと考えて、自宅で鯛焼きを売り始めました。
だから店名は「たいやきや」。

もともと子どもの多かった川根町家山。
たいやきやは繁盛しました。


その後、おちょうさんが肺炎になったのをきっかけに、御主人も会社を辞めて一緒に"たいやきや"を切り盛りすることに。
おちょうさんと御主人の二人体制になったことで余裕が出来ると、メニューが徐々に増えていきます。

最初はたいやきだけだったのが、
冬はたいやき、夏はかき氷、
そこからカレー、ラーメン、うどん、とメニューは増えていきます。

すると今度は一品物を作っている待ち時間に何かお客さんに出せるものはないかということで、
「しずおかおでん」を始めることにしました。

家山駅から帰宅途中の学生が、おやつとして買って帰られるように、
当時は朝から七輪で煮込み始めていたそうです。

それから昭和57年におちょうさんの息子さんである喜一さんが洋子さんと結婚したことを機にお店を継ぐこととなりました。
チャレンジ精神旺盛な喜一さん。メニューはさらに拡大していきます。
川根 たいやきや(キイチ食品)
※カウンターの上に当時使っていた1品メニューの札掛けが
川根 たいやきや(キイチ食品)
※喜一さん曰く、メニュー札はカウンターの端から端まであったそう。最盛期はなんと100種類以上やっていたとのこと。


川根 たいやきや(キイチ食品)
当時のお店のマッチ箱。なんと活魚料理までやっていた!
お店に設置した水槽に伊勢エビと車エビを入れておいたら、翌朝車エビがみんな伊勢エビに食べられていたらしい


その後、時代は流れ、大井川鐡道の「きかんしゃトーマス号」運行などで川根を訪れる観光客は増えていきました。

喜一さんは、これはチャンス!と持ち前のアイデアでたいやきをPRしていきます。

その手法とは、駅前にいるバスガイドさんをつかまえてたいやきを配るというもの。

バスガイドさんがバスの中で宣伝してくれるのが、一番効果的なんだそう。これはとても上手い手法ですね!

喜一さんのアイデアはこれにとどまりません。

昭和60年頃、マヨネーズはどこの家庭にもありましたが、ドレッシングはそれほど一般的ではありませんでした。
そこでオリジナルドレッシングを作ってお店の料理にかけて出してみたところ、これがまたとても評判が良い。


「間違いない。次はドレッシングの時代が来る・・・!」
喜一さんは閃きます。

そこでキイチ食品という会社を設立。
ドレッシングの開発に着手します。

現在は定番となっている、わさびドレッシングのほか、
子ども向けに、みかんドレッシング、パインドレッシング、イチゴドレッシング、ヨーグルトドレッシングを開発!
(このシリーズは時代を先取りしすぎたとのことで、その後廃盤となる)

また”しずおかおでん”がB1グランプリに輝いたことを機に、お店の味を全国の皆さんに味わってもらえるよう、お土産用しずおかおでんを開発し、これまた人気が爆発しました。
川根 たいやきや(キイチ食品)
川根 たいやきや(キイチ食品)
※現在のキイチ食品で生産されているラインナップ


そんなこんなで58年の歳月が流れ現在にいたります。
今はお二人とも歳を重ね、お子さんも巣立ったので、人気があるものに絞ってメニューを縮小されたそう。
だからこんなユニークなメニューになったんですね。

お店の営業時間は10:00~15:30.
閉店は観光バスの最終発車時間に合わせているとのこと。笑

基本的にお店の料理は全て喜一さんが一人で作っているため、翌日分の仕込みを前日の夕方に始めないと間に合わないのだそうです。
営業時間が短いのも名店ならではですね!

喜一さん、洋子さんの想い出話に耳を傾けていると、お店の隅々に先代から引き継がれてきた想いや、ストーリーが感じられ、なんだか僕もタイムスリップしたような気分でした。

ご夫婦、お二人とも気さくな方々で、会話をしていてとても楽しいし、温かい。



川根の家山にある”たいやきや”
だれもが、また行きたくなる理由がこの路地にはありました。
川根 たいやきや(キイチ食品)




たいやきや
川根町家山668-3
営業時間10:00~15:00
木曜定休(ときどき水曜も)




”たいやきや”のしずおかおでんを食べるなら!
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川根 たいやきや(キイチ食品)